FROM: Schu Sugawara
DATE: 2004年10月2日(土) 午後11時46分
「現在」のあんたの立場はどのヴァージョン?
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ブッシュ陣営は、大統領候補ジョン・ケリーは上院でイラク政策の立場を何度も
変えてきたと攻撃し、あらゆるメディアを通じて大々的にそのイメージを大衆に
印象づけようとしている。そこで使われているキーワードが「フリップ、フロッ
プ」。(訳注1)「コロコロ立場を変える」という意味のこの言葉は、共和党御
用メディアFOXニュース番組によって、過去数カ月間、大衆深層心理に刻み込
まれ、ケリーの人格に対する信頼を低下させた。
マイケル・ムーアはブッシュ大統領宛のこの公開質問状で、アメリカ国民を錯乱
させ現在泥沼化しているイラク戦争に引きずり込んだブッシュ陣営の過去の卑劣
な歴史を明らかにし、実際に外交政策をコロコロ変えて来たのは、実はあんた
じゃないかと糾弾する。また言葉遊びで、フリップ(びっくり仰天)、フロップ
(でき損ない)などの意味を使い分け、この言葉が実はブッシュ大統領にぴった
りであることを冗談まじりに、時には怒りをこめて語る。
ここでのムーアの語調は、スラッカー(訳注2)と呼ばれる20代、30代の若
者の気風を反映しているものだ。彼はこの公開質問状に続き、全米60都市を回
る選挙投票推進運動ツアー「スラッカー反乱ツアー」を開始した。このツアーに
ついては後述の関連テキストを参照。
(宮前ゆかり/TUP メンバー)
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七変化ならぬ十変化のイラク政策、どれが本物?
「コロコロ変わるあんたこそ、でき損ないだ」
By マイケル・ムーア
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2004年9月22日(水曜日)
親愛なるブッシュ殿、
もう、わけがわかりませんね。イラク問題でのあんたの立場って、一体何なんで
すか。あんたも、あんたの「パパ」(ブッシュ元大統領)(訳注3)も、それに
ラム爺(ラムズフェルド国防長官)、コンディ(ライス大統領特別補佐官―国家
安全保障問題担当)、コリン(パウエル国務長官)やウォルフィ(ウォルフォ
ウィッツ国防副長官)たち、みんな、いままで数えきれないくらいコロコロ言う
ことを変えてきたでしょ。うちらは、それに追いつこうとするだけで、息が切れ
そう。
あんたやあんたの家族、それに閣僚たちがここ20年くらいの間に言ってきたこ
とって、10件くらいバージョンあるけど、「現在」のあんたの立場はどれなの
かな。
1983〜88年「サダム大好き」:1983年年12月19日に、あんたの
「パパ」とレーガンがドナルド・ラムズフェルドを送り出してイラクの独裁者、
サダム・フセインと仲良しミーティングをやりました。ラム爺はとっても幸せそ
うな顔して写真に写ってましたっけ。(注:下記写真URL参照)この訪問から
たった12日後には、何千人ものイラン軍がサダムによって毒ガスで殺されたん
ですよね。あなたの「パパ」もラム爺もその結果に大喜びだったじゃないです
か。だって、その4 カ月後には、また「ドナルド・R氏」がサダムの右腕、タリ
ク・アジズとまたまた仲良し会やってたもん。そういう流れで、アメリカは、信
用供与やら借款やらを介し、イラクが何十億ドル分もの武器や化学兵器を買える
ようにしてやったわけだ。レーガンもブッシュも、イラン・イラク戦争ではぜひ
イラクに勝ってもらいたい、サダムを支持する国は自分たちの盟友だぁ、とか、
アラブ諸国に表明していたそうじゃないの。ワシントン・ポスト紙がそう書いて
いましたよ。
1990年「サダム大嫌い」:1990年にサダムがクウェートを侵略したとき
には、あんたの「パパ」と彼の国防長官ディック・チェイニーはもうサダムなん
かどーでもいー、すでに無用になっちゃってたということで、イラクを攻撃して
クウェートの元の独裁者にちゃんと国を返してあげたっけ。
1991年「サダムは生かしておこう」:その戦争の後、あなたの「パパ」と
チェイニーとパウエルは、シーア派に、応援してやるからサダムに立ち向かえと
けしかけましたね。で、彼らはそのとおりサダムに対する反乱を起こした。だけ
ど、またアメリカの気持ちがコロっと変ったわけ。シーア派がやっとドンパチ始
めたときには、ブッシュ側の心変わりで、結局応援は「しないことに」なった。
そんなわけで、結局彼らはサダムによって大虐殺されてしまったのです。
1998年「サダムなんか殺しちまえ」:1998年に、ラムズフェルド、ウォ
ルフォウィッツ、その他の連中は「アメリカ新世紀プロジェクト(Project for
the New American Century)の一環として、クリントン大統領に対し公開状を出
し、サダム・フセイン打倒を要求しましたよね。
2000年「戦争や他国の国作りには関わりたくない」:それからたった3年し
かたっていない2000年の大統領選挙でアル・ゴアと演説討論したとき、司会
者ジム・レーナーが他国の政権交代のために武力を用いることに対しどういう立
場をとっているのか質問したら、なーんと、あんたは実は完全に平和主義者だっ
たことがわかった。
「えっと、私は、武力の使用については、重大なことだと考えていまして、慎重
な方針で臨むつもりです。アメリカの国は世界のあらゆる人々のために何でも手
を広げることはできないと考えているので、わが国の軍隊を戦地に送り出すこと
については、非常に注意深くなければならないと思います。副大統領(アル・ゴ
ア)と私とでは、軍隊の使い方について意見が異なるようで、彼は他国の国作り
支援をするべきだという考えですが、えっと、私は、こういう他国構築支援のた
めにわが国の軍隊を使うことに対し、非常に慎重な考えを持っています。軍隊の
役割は、勝てる戦争をすることが大切であり、そのためにははじめから戦争が起
きないようにすることだと考えます。ですから、えっと、私は自分の責任という
ものを非常に真剣に受け止めております。」
2000年10月3日
2001年(はじめのうち)「サダムは脅威ではない」:2001年にあんたが
大統領の座についてから、国務長官コリン・パウエルと大統領特別補佐官コンド
リーザ・ライスをカメラの前に立たせて、アメリカ国民にむかってサダム・フセ
インのことは心配しなくてよいと説得してましたね。2人はこう言いました。
パウエル: 「我々は我が国の政策をたえず検討し、制裁がそのような目的にか
なっているか確認する必要があります。この目的は、現在でも、10年前にわが
国がこれを開始した時とまったく同様に重要です。そしてありのままに言います
が、これは効果をあげてきています。彼は大量破壊兵器に関しては、これといっ
た能力もつけていませんし、近隣諸国に対して通常兵器による威力も及ぼし得て
いません。」
2001年2月24日
ライス: 「ただし、サダム・フセインの存在については、あの国が分裂している
ことをお考えください。彼は国の北部に関する支配力をもっておりません。我が
国は、彼の手に兵器が入らないようにすることに成功しており、彼の軍事力は再
建されていません。」
2001年7月29日
2001年(あとになって)「サダムは我々を殺す気だぁー!!」:それから
たった2、3カ月後、9・11事件の数時間だか数日あとには、あんたはオサ
マ・ビン・ラディンなど捕まえる気などさらさらなかった。イラクを爆撃し、サ
ダム・フセインを殺すことしか頭になかっただろう。アメリカの全国民に、大量
破壊兵器が僕らに向けられている、この国に切実な脅威が迫ってる、なーんて訴
えた。いかにもサダムがオサマや9・11に関係があるみたいなことを言って、
アメリカ人全国民をぬけぬけと騙してくれたんだ。そして、国連の許可もなく、
国際法を破ってイラクを侵略した。
2003年「サダムは我々を殺す気はないだろう」:大量破壊兵器が見つからな
かったんで、あんたはイラク侵略の理由を考え直し、後で思いついた別の真新し
い理由に置き換えた。この戦争は、体制転換、イラク解放、イラク人に民主主義
をもたらす戦争だった、なんてね。
2003年 「ミッション、完了」:そう、あんたがそう言うところをみんなが
ちゃーんと見てました。ごまかしは効かないよな。
2004年「あれ、ミッションまだ完了してないな」:今、あんたはイラク侵略
を「破局的成功」だなんて言ってる。(訳注4)あんたがこの戦争につけた今月
の名前が、これね。千人以上もアメリカ人兵士が死んで、イラクは誰一人おちお
ちと暮らせない完全な生き地獄になってしまった。僕たちをこういう状況に引き
ずり込んでおきながら、あんたはそこからどうやって抜け出せるのか見当もつか
ないんだろう。
さて、ブッシュ殿。今度はいつまた心変わりをするおつもりですか?
あんたが「フリップ」だの「フロップ」だのという言葉が嫌いなのは知っていま
すよ。だから、その両方を使うことはやめとこう。実際「フロップ(でき損な
い)」の一言で事足りるもの。あんたはね、結局そんな存在なのさ。とほうもな
く馬鹿でかい破廉恥野郎のタワケもの。この戦争もタワごと、あんたの顧問連中
や彼らがあんたに渡した「機密情報」もみーんなでき損ないのタワごとにすぎな
い。そしてついでに、僕らアメリカ人全員も、世界中の人たちに顔向けできない
でき損ないにしてくれた。でき損ないの三乗だっちゅ〜の。
そんなあんたがだぜ、よくも図々しくジョン・ケリーがイラク問題で「立場をい
ろいろ変えた」だなんてほざけるもんだ。僕に言わせりゃ、彼がとった立場は
たったひとつしかありません。あんたを信じたんだ。それが彼のとった唯一の立
場です。あんたは、彼に、そして連邦議会全員に向かって、サダムが大量破壊兵
器を持っているって言ったでしょう。だから、彼だって、そして、あんたに投票
しなかった人たちでさえ、アメリカ人の大多数もあんたの言葉を信じたんじゃな
いか。いいかい、アメリカ人っていうのはね、ジョン・ケリーと同じように、み
んな自分たちの大統領の言葉を信じられるような国に住むことを願っているんだ。
それが、ジョン・ケリーがとった、唯一の立場だった。彼は戦争を支持したわけ
じゃない。彼は、あんたを支持したんだ。それなのに、それなのにだ、あんた
は、彼、そしてこの偉大な国全体をぬけぬけと裏切った。だから、何千万人とい
うアメリカ人たちはこの選挙日に投票場に行くのを待ちきれないでウズウズして
いる。こんなひどい破局的なでき損ないを、僕らの愛すべき大切なホワイトハウ
スから追い出すために。そして僕らや全世界の人々を馬鹿にするようなまねを止
めさせるために。そして、あんたやあんたの手下がやらかした狂乱沙汰も、すべ
て止めてもらうために、だ。
もうこれ以上1分たりとも我慢ならないね。
マイケル・ムーア
Michael Moore
mmflint@a…
www.michaelmoore.com
(翻訳:宮前ゆかり/TUP)
[訳注1]「フリップ・フロップ」コロコロ意見を変えるとか、都合のよいよう
になびく無責任な態度を指す言葉。また歩くたびにパタ、パタという音をたてる
ゴムぞうりも「フリップ・フロップ」というので、FOXニュースでケリーを扱
うときには、かならずカラフルなゴムぞうりのアイコンが画面のどこかに出てい
る。このような大衆心理操作手段を駆使するFOXニュース局の政治的背景を分
析したドキュメンタリー映画「Outfoxed」は、DVDで入手でき、平和運動に関
わる市民にとって重要なメディア監視資料のひとつ。なお、「フリップ」だけな
ら「びっくり仰天」、フロップだけなら「情けない負け犬」、または「駄目な
奴」の意になる。
[訳注2]「スラッカー」という言葉には「怠け者」、「いい加減な奴」、「居
候」などのニュアンスがある。主に、ベービーブーム世代の裕福な親に育てら
れ、苦労することなく育ち、政治や世界情勢にあまり興味を示さない20代から
30代の人たちを指し、「Hey, dude」という挨拶や「Coooool」など短い相槌
が、彼らのトレードマークだ。この語調は彼らの親の年代にもしっかり定着して
おり、映画やテレビドラマなどの主流メディアでも必ずテレビやゲームばかりに
熱中してスナックを食べてごろごろしている「スラッカー」タイプの人間が登場
する。「スラッカー」には親のスネをかじる学生、サーファーやスノーボー
ダー、スケートボーダーなどの「遊び人」の他にも、かつてのムーア自身がそう
だったように、貧乏で家族に「迷惑をかけている」目が出ないアーチスト、
ミュージシャン、平和運動活動家などが含まれる。
ムーアは、アメリカの市民権である選挙権をこれまで棄権してきたアメリカの
「多数派」を「スラッカー(怠け者)」と呼んでいる。「人民の、人民による、
人民のための政治」を目指すはずであるアメリカ民主主義の歴史の中で、多くの
人が血を流して勝ち取られてきた市民権をないがしろにしているからだ。それと
ともに、ムーアは、共和党、民主党の2大政党の癒着したアメリカの政治に我慢
がならず、結局これまで長い間選挙権行使を棄権してきた「多数派」に深い共感
と理解を示している。今回の「スラッカー反乱ツアー」はこのようなアメリカ市
民の怠惰を打ち破り、特に戦争の犠牲となる若い世代を選挙に動員するための働
きかけのひとつである。
[訳注3]ブッシュ現大統領は公の場所でも自分の父親(ブッシュ前大統領)を
「Dad」(パパ)と呼び、親離れできない彼の姿を印象づけている。
[訳注4]ブッシュは英語の語彙が非常に少ないことで有名。大統領になって以
来、彼が足りない語彙を補うために勝手に創り出したオカシナ笑える英語を集め
た辞書が出ているくらいだ。この「Catastrophic Success」(破局的な成功)な
どというのも有り得ない英語だが、皮肉なことに、ブッシュ政権のイラク政策を
あらわすよい表現になっているので、なおさらおかしい。
原文URL
http://staging.michaelmoore.com/words/message/index.php?messageDate=2004-09-22
写真URL
http://www.virtualtome.org/images/rumsfeld_saddam.jpg
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[関連テキスト]
2004年9月25日(土曜日)
マイケル・ムーア・ツアー「世界のスラッカーよ、結集せよ」
みんな、
僕は、明日から20州、60都市をまわるちょっとしたツアーを始めるつもりで
いるんだ。うんざり、がっくり、そしてネーダー障害に悩むみんなが、11月2
日に投票用紙の四角い欄に×をつける(または投票カードにパンチ入れたりタッ
チスクリーンを使う)ために立ち上がり、アメリカそしてこの世界を救うために
ね。(「救う」ったって、その後全労働者が生産手段を自分たちの手に収めると
ころまで行くという意味じゃないよ。そりゃ、ま、数年ほどかかるだろうからね。)
僕がここでアメリカの同士たちに訴えることは、ペンシルベニア通り1600番
地の公共住宅施設(注:ホワイトハウスのこと)の共同地主として、みんなに
2、3分ほど時間をとってもらい、そこに現在間借りしており、借家に大きな被
害を与えている(それどころか、ご近所にも大迷惑をかけている)借用人に出て
いってもらうことだ。これって民主主義がカッコイイことのひとつじゃないか
な。権力の座にあるものにちゃんとしっぺ返しができるってのはね。「お前はク
ビだー!!」気分いいー。しかも、その「解雇通知」の受取人が僕らの子供たち
を戦争に送り出そうとしているような相手だったら、なおさらだろう。
僕、来月は別に何もすることないんで(それに、アイオワ、オハイオ、アーカン
ソーなんていう、スウィングしてる州(訳注1)に行ってみるの楽しそうだし
ね)、全国のあらゆるバトルグラウンドの州(訳注1)にでかけて、どんなこと
をしてでも、できるだけ多くの人たちに投票してもらおうと決めました。僕、お
洗濯のお手伝いだって、お宅のお掃除だって何でもします。11月2日の火曜日
に選挙に行ってくれるって約束してくれるんだったら、1年分のビールのおつま
みだって差し上げます。
このツアーは「スラッカー反乱ツアー」という名前で、これまで投票棄権をして
きた多数派のみんなに冬眠から醒めてもらって、政治のシリを叩いてやるため
の、東海岸、西海岸を結ぶイベントだ。僕のゴールは、アメリカ中に1億人いる
投票棄権者のうちできるだけ多くの人たちにたった一度でいいから選挙に参加し
てもらうこと。すべての有権者のうち最低56%の人に投票してもらい近年の投
票率最高記録を作りたいと願っている。
僕は、この反乱を率いるために全国のスラッカーに支援を求める真っ赤な警告
コールを発信しているところだ。僕は10代、20代のみんなに、ラーメンやス
ナック食べてる手をちょっと休めてもらい、君たちが感じているごもっともな政
治不信のシラケタ気持ちに火をつけて、それを火炎瓶のようにこの選挙のど真ん
中にぶち込んで欲しいんだよ。「選挙権棄権者」としての君たちは、これまで
すっかり見捨てられてきた。でも、もし君らのうちたった数千人でも投票してく
れたら、必ず違いがでるはずだ。すべてのパワーが君たちの手にかかっているん
だよ。それってテレビのリモコン握ってるよりもずっとクールだと思わないかい。
スラッカー元祖の僕、スラッカーの振舞いに対するありとあらゆる攻撃をくぐり
ぬけてきたこの僕自身が、君の寄宿舎(または家賃払わずに君が親に住まわせて
もらってるボイラールームの隣のちっちゃな物置)のすぐそばの競技場やスタジ
アムにやってくるんだぜ。どうして競技場やスタジアムを使うかっていうとね、
僕ら人数がえらい多いんだもの。それにビールとかチップスとかも売ってるし
ね。サン・ドームからキー競技場、パトリオット・センターからデルマー・レー
ス場(注:これらは各地大学の競技施設)まで、僕がそっちに景品やおみやげも
持っていくし、必要な人にはま新しい下着だって贈呈するよ。
僕が行く前に、各都市で「華氏911」の無料上映会をすることになっている。
僕が行く時は、新しい(または最近移住してきた)投票者を登録する投票登録用
紙を持った人たちを数十人連れていくつもりだ。(ほとんどの州では選挙登録日
締切はもう10日ほどしかないんだよ)また不在者投票申込み用紙も用意するつ
もりだ。それから選挙日に投票場に人を出すためのボランティア活動志望者を募
集しているMoveOn、ACT (訳注2)やその他のグループの仲間たちが僕のイベン
トに来てくれることになっている。
僕のイベントの場所などの詳細については君たちの地元のメディアが報道するこ
とになっている。口コミがすぐ流れたので、イベントの多くの場所でもう満員御
礼になっているところもあるらしい。(ほとんどの場所で、学生は無料だし、地
元の人たちにはコストを賄うために5ドルくらい払ってもらう)。とにかく、地
元のメディアで時間や日付、前売り券の入手方法など調べてくれ。
僕が行こうと思っている都市リストの一部としては、シアトル、ミシガン州ビッ
グラピッド、ミシガン州マウントプレザント、ツーソン、ディアボーン、フェ
ニックス、イースト・ランシング、デトロイト、アナーバー、アルバカーキ、ト
レド、オハイオ州コロンバス、アイオワ州エイミス、クリーブランド、ウェスト
バージニア州フェアモント、ピッツバーグ、フィラデルフィア、ペンシルベニア
州ベツレヘム、バージニア州フェアファックス、ペンシルベニア州カーライル、
ペンシルベニア州ステートカレッジ、ミネアポリス、ゲインズビル、ナッシュビ
ル、マイアミ、メンフィス、オーランド、オレゴン州セーラム、ジャクソンビ
ル、タンパ、カンザスシティ、ミルウォーキー、セントルイス、マディソン、グ
リーンベイ、ラスベガス、リノ、デンバー、もちろんフロリダ州タラハシーだ。
その他は後で知らせるよ。
旅行中は毎日ブログを書こうと思うし、それぞれの町で撮った写真も載せるつも
りだ。このツアーで一番多くの学生を登録した大学(あるいは一番多くの棄権者
を説得して僕のために投票を約束させた大学)のトップ3校には、このツアーの
終わりに特別な奨学金を贈ることになっている。
前もって、一生懸命この選挙のために働いているみんなにお礼を言いたい。どう
もありがとう。必ず世界を変えられると思う。
棄権者を一人たりとも置き去りにしないぞー。
(訳注3)
(翻訳:宮前ゆかり/TUP)
マイケル・ムーア
Michael Moore
mmflint@a…
www.michaelmoore.com
www.michaelmoore.com/takeaction/vote/
追伸:良いニュースがある。今週末、僕らの映画供給会社が「華氏911」をす
でに上映している映画館リストのほかに何とまた600もの新しい映画館を追加
したんだ。これは上映始まってから4カ月も経っている映画にとっては、異例な
ことなんだけど、多くの地域でまた再上映を求める声が高まり、素晴らしい僕ら
の供給会社がこれに対応することにした。もう一度映画を見なおしたり、まだ見
ていない友達を連れ出したりするのにいいチャンスだ。映画館での上映はそろそ
ろ終わりに近づいているからね。DVDやホームビデオの発売は10月5日だよ。
[訳注1]共和党と民主党が接戦しており結果が予想できない州を「スウィング
州」または「バトルグラウンド州」と呼ぶ。ムーアのツアーはこれらの州におけ
る選挙投票率の向上に焦点をおく。
[訳注2]選挙に関する啓蒙活動や投票推進運動を行っている市民運動非営利団
体。今回の選挙では民主党を支持している。URL: http://www.moveon.org
および http://www.actforvictory.org を参照。
[訳注3]ブッシュは大統領になる前に、選挙の公約として全米教育政策「子供
たちを一人たりとも置き去りにしない教育方針」を打ち出した。しかしブッシュ
政権になって以来、全米各州で義務教育に対する連邦政府教育予算や州政府予算
が大幅に削減され、また各高等教育機関の授業料が急激に上昇し、特に経済的な
下層部を占めるマイノリティーの人々にとってなくてはならない大学進学奨学基
金が枯渇している。
原文 URL:
http://www.michaelmoore.com/words/message/index.php?messageDate=2004-09-25