日本では情報鎖国の状況が続いてきました。
すなわち、言葉の壁もあり、海外からの情報が日本に届きにくい状態がいまだに続いています。なかでも 9-11 以降の各国政権の情報統制に向けた動きもあるなかで大手マスコミの伝える海外情報には往々にして不当な取捨選択が感じられます。なにごとにつけ加速度的に全世界規模化している現在、この状況が嘆かわしいことは言を待たず、今ほどこの情報鎖国状態を破る努力が求められている時はありません。
近年インターネットが飛躍的な発展を遂げてきたのにともない、市民側からの活動や視点も全世界規模化してきました。既存の体制での出版という枠組にとらわれず、一市民の声を全世界に発信することも可能になりました。あるいは、地理的な条件に制限されることなく、平和をめざして地球の反対側にいる人々が手を取りあうことも容易になりました。
そういう背景で、「タップ ―― 平和をめざす翻訳者たち」(TUP: Translators United for Peace)が、米英らのイラク侵攻直後の 2003年3月に誕生しました。
タップでは、(外国語で書かれた)重要で多様な情報を機動性をもって邦訳して広く提供することで、日本の市民から政治とメディアにまでインパクトを与え、戦争のない平和な世界の実現に貢献することを目的としています。
タップの活動の最大の柱は、不定期の速報配信です。主に戦争と平和に関する(外国語で書かれた)重要な記事を邦訳して無料で配信・発表しています(TUP速報(TUP-Bulletin)と呼んでいます)。新規配信の受信は、「TUP速報配信申し込み」ページからどなたでも登録できます。また、TUP速報の過去ログは、このウェブサイト上の「配信記事一覧」にて公開されています。
過去に配信された速報やそれに関係するものの一部は、書籍として出版もされ、高い評価を得ています(「TUP関連出版物」にて一覧できます)。なかでも TUPアンソロジー『世界は変えられる』は JCJ市民メディア賞を頂きました。また、近年では、2008年よりシリーズとして取組んだイラク・アフガン帰還米兵「冬の兵士」の証言をまとめたものを『冬の兵士』として2009年8月に、2008年末より空襲下のパレスチナからの現地人の便りを集中して報告したものを『ガザ通信』として2009年4月に出版しました。
加えて、2009年より念願の独自ウェブサイトをここに開設し、活動の幅を広げていこうと試みているところです。
タップの翻訳メンバーは現在約25人、幅広い年齢性別の方が世界中に散らばっています。主にメイリングリストを通じてタップ内での協力態勢を築きあげています。インターネットが可能にした現代の市民活動と言えるでしょう。
平和を願い、翻訳力のある意欲ある方ならどなたでもタップの活動に加わって下さることを歓迎します。興味のある方は、「お問い合わせフォーム」から内容欄に「入会希望」とご記入の上、ご連絡下さい。折返し御返事致します。
TUP速報 (TUP-Bulletin)
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