FROM: liangr
DATE: 2004年12月27日(月) 午前9時24分
行くのは危険。でも、ドナは行くことに決めた。物質的援助だけではないのです。
4月、米軍包囲下のファルージャに、人道救援活動のために入り、その帰路、地元 のレジスタンスによる拘束を経験したオーストラリア人女性ドナ・マルハーンが、11 月24日に再びバグダッド入りし、そこから送っている現地報告をお送りしています。 今回は、前回のファルージャ難民支援の件で、赤新月社を訪れたときの続きで、その あと実際に難民の避難所に援助を届けに行くまでの話と写真です。なお、TUP 速報で は、写真をお送りすることはできません。この写真は、別のサイト http://electroniciraq.net/news/1757.shtml (英語)で見ることができます。 (翻訳:福永克紀/TUP)
ドナ・マルハーン 難民援助の活動――報告と写真 2004年12月16日
お友達の皆さんへ、報告です。
ファルージャ難民の危機について、赤新月社のスタッフとの話し合いが終わると、彼 らからどうぞ計画に取りかかってくださいと、賛同と激励の言葉を受けた
バグダッドでファルージャ難民家族が多く来ている場所については、すでに情報をい くつか入手していたので、ライドが、人数や必要なものなどを把握するため、そのう ち数箇所を調べに行った。
彼は、バグダッド中心部で、ファルージャ難民に建物を提供しているイスラム教の神 学校を見つけた。
ライドが説明するその情景や状況を聞いて、私はここから取り組み始めるのが最善だ と思った。40家族以上が教室や廊下で暮らしているという。全部でおよそ400人、 そのほぼ半分が子供だ。しかも彼が聞いたところによると、まだまだ集まってきてい るそうだ!
難民たちが最も苦労していることは、この寒さだ。ファルージャから逃げるとき、重 たい毛布やヒーターは持ってこれなかった。
そこで、私たちは、良質で分厚いダブルの毛布を購入し、各家族に2枚、石油ストー ブとともに配ることに決めた。
それに、十分な量の灯油と、湯沸かし器2個と、パンを作るのに十分な量の小麦粉 と、赤ちゃんのいる家族のためには、おむつ類一式を配ることにした。
食料は、支援のために結集したイラク人社会がまかなっていてくれるので、今のとこ ろ緊急に必要なものではない。
ライドが一日かかってこれらを買い集め、配るのを手助けしてくれる友人を何人か集 めてくれた。量が大変なものとなって、これは一仕事である。
この援助は、ファルージャの家族たちの幸福を願うオーストラリア人からのものだと いうことを、ぜひとも彼らに知ってもらいたかったので、「イラクのための援助、 オーストラリア市民より」と英語とアラビア語で書かれたチラシを、毛布の袋に差し 込んだ。政府の関与は一切ないと知ってもらうことが重要だった。
この援助物資を配るため、ライドとともに、私も行くのは危険なのでやめた方がいい のかどうか決定しなければならなかった。最終的に、私は行くことに決めた、という のも私はただ単に物質的援助だけではなく、友情も届けたかったのだ。人々と手を握 り合い、互いに抱き合い、個人的に触れ合うことを。
その学校に行く途中、予定していた道筋で米軍が道路封鎖をしていたので、予想だに しなかったハイファ通りを通過する羽目になってしまって、危険性が増してしまうこ ととなった。皆さんも、ニュースでハイファ通りのことは聞いたことがあるでしょう ? 反政府勢力の支配下にあるバグダッド中心部の主要道路だ。毎日、激しい銃撃戦 と爆弾の爆発がある。そこは、避けて通る予定だったところだ。
通りを半分ほど過ぎるまで、私はそこがハイファ通りだとは気づかなかった。運転手 は、びくびくしながら運転していた。私は自分がどこを通っているか気づいたことを 彼に言わなかったが、後で彼が、私に気づかれなければいいがと思っていたのだと 言ったので、みんなで笑った。
幸運なことに、その日は金曜日で、当地では休日なので、ハイファ通りは平穏無事 だった。しかし、数日前の戦闘の跡が見てとれた。燃え尽きた車、道路の穴ぼこ、曲 がりねじれたフェンス、それに商店の多くが完全に閉店していた。もし、イラクでは 万事うまくいっていると言いたい人がいるなら、ハイファ通りをドライブしてみると いい、そんなことはないことがすぐ分かる。
イラクの抵抗勢力は、他の多くの地区と同様、ここを完全に支配している。
今や難民キャンプとなったその学校に着いたとき、私は、実際なにが起こるのかすべ てがどのようになるのか知る由もなく、ただメディアのニュースではお決まりになっ た人々と触れ合えると幸せな気分になっていた。
米軍のファルージャ攻撃を詳細に伝えるメディアの埋込報道では、そこに住む市民た ちは、町を破壊する軍事作戦にとって一種の不都合なものとして描写されていること がしばしばだった。(訳注:埋込報道(embedded media) エンベッド取材による報 道とも言う。報道関係者を米軍と寝起きを共にさせ、軍と同一行動を取らせ、軍にエ ンベッド(埋込)して取材させる。記者が軍と一体化し、軍と連帯意識を持った報道 となり、軍と離れた独自の視点や被侵略者の視点から報道することがなくなるため、 報道が偏ると批判されている)
難民たちは、不都合とは何かについて、そして誰それを引き起こしたのか、別の、 もっと強烈な見方をしている。
彼らの見解と話はこの次に。
皆さんの巡礼者
ドナより
追伸:下の写真が、バグダッド中心部のファルージャ難民コミュニティに差し上げる ことができる援助物資の束と、ライドの写真です。
(翻訳:福永克紀/TUP)
原文:Refugee work – report and pics URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/140