FROM: liangr
DATE: 2005年1月30日(日) 午後9時20分
コードピンクの抵抗に警備の警官も内心は共感! 首都で不人気のブッシュ!
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去年の大統領選挙の結果はもとより、その選挙にまつわる大規模な不正を覆すこ
とができずに毎日が過ぎていく。ネオコンの貪欲なアジェンダにかられて泥沼化
するイラク戦争、アフガニスタンで毎日苦難をしのぐ人々の暮らし、そして無駄
に失われていく人々のいのちのことを思うといてもたってもいられない。しか
し、こうしてめげ続けているのもしゃくだ。そこで、あの就任式の馬鹿騒ぎのど
真ん中にもぐりこんで2度も反ブッシュのバナー(横断幕)を堂々とかかげ、
「叛意」を公に示すデモンストレーションに成功したコード・ピンク(注1)の
「おばさん」連中の活躍についてご紹介しよう。
下記内容は1月24日の「デモクラシー・ナウ!」(注2)で放送されたもの。
ブッシュ就任反対の民意を示すために全米から何十万人もの人々が押し寄せた反
就任式デモについてはマスコミでほとんど放送されなかったが、「デモクラシー
ナウ!」ではかなりの時間を割いて反ブッシュ政権の意思を行動に移した人々の
さまざまな活躍ぶりを紹介している。
(TUPメンバー/宮前ゆかり)
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コード・ピンク創立者メディア・ベンジャミン女史の話
メディア・ベンジャミン: コード・ピンクのメディア・ベンジャミンです。私た
ちはいろいろなルートから就任式のVIP入場券を8枚手に入れたんです。徹夜をし
て当日朝の4時までかかってみんなでバナーを作りました。各自それぞれ2枚から
3枚づつバナーを体に巻きつけたの。多分ほとんどのメンバーが捕まるだろうけ
ど、一人くらいなんとか通過できるんじゃないかという程度に考えていました。
で、セキュリティを通ったんですが、かなり厳しいセキュリティ体制だったわ。
なにもかも提示しなくちゃいけないんですもの。ポケットをひっくりかえし、
ジャケットも開いて見せなくちゃならない。体を上から下まで触られるのよ。で
もどういうわけか、身に着けたバナーのひとつも失うことなく全員が通過に成功
したのよ。
そうして中に入ったのよね。わたしたちのチケットは一番後ろのセクションだっ
たので、まずそのセクションに座ったのだけど、見回してみると誰も監視してい
るわけでもないことが分かったわけ。それで少しずつ前のほうににじり寄ってい
くことにしたのよ。まず最初に二人だけ先に送り込み、彼女たちが席を取ったら
また次の二人を前の席に送り出すという具合にね。何かあった場合のことも考え
て、彼女たちが席を取った分だけ後ろにいる私たちにチケットを送り返したりし
ながら、また次の二人組みが前に進むという作戦で、結局全員8人とも見えやす
いセクションに並ぶことができたわ。みんな、あらー、なんということもない
じゃないの、ってびっくりしたくらい。
で、ジョージ・ブッシュの演説が始まったので、いいチャンスを狙っていたんだ
けど、完璧な瞬間がきたわけ。イラクのことに触れるまで待ってなくてよかっ
た。だって結局最後の最後までイラクのイの字も出なかったんだから。だけど世
界中の人々にとって叛意を示す自由がどれだけ大切かなんていう下りがあったん
で、私たちは「これだ」と思ったの。ここが出番だってね。それですぐに全員が
バナーを引き出し、椅子の上に立ち上がってバナーを広げたわけ。そしたらすぐ
にセキュリティの連中が飛んきて私たちのバナーを取り上げようとしたのよ。周
りのブッシュ支持者たちもバナーをむしりとろうとしたの。でもわたしたちは
「あなたたち、今大統領の言った言葉を聞いたでしょ? 世界中の人たちが叛意
を表現する自由を必要としているって言ったばかりじゃない。それをわたしたち
は実行しているのよ。大丈夫よ。彼のメッセージに従っているんだから。」そし
たら、彼らも周りを見回して、おろおろどうしたらいいのか分からなくなっ
ちゃってるの。で、警察の連中は結局「よし、分かった。」って言ってその場か
ら立ち去っていったわけ。「じゃ、今度はおとなしくするように」と言ったっき
り、いなくなってしまった。
それでね、わたしたちはまたそこに2,3分座っていたんだけど、でも、またブッ
シュがあれこれ我慢のならないことをしゃべり始めたんで、じゃまたやるかって
ことになり、わたしたちはまた立ち上がることにしたの。椅子の上にもう一度み
んなで立ち上がって、隠し持っていた追加のバナーを広げたのね。今度はすぐに
警察がやってきたし、ブッシュ支持者も今度はすっかりかんかんになっていた
わ。彼らはわたしたちにつかみかかってきて、わたしたちの持ち物をとりあげよ
うとすったもんだの格闘になったよ。
エイミー・グッドマン: バナーにはどんなことが書いてあったのですか。どんな
スローガンを叫んだんですか。
メディア・ベンジャミン: バナーには「戦争反対」「侵略を止めよ」「シャンペ
ンを飛ばしている間に兵士たちが死んでいる」などありとあらゆる抗議の文句を
連ねていたわ。「お祝い事の馬鹿騒ぎをやめて侵略を止めよ」というバナーもあ
りました。今回はもう全員で「侵略を止めろ、お祝いを止めろ、兵士たちを今す
ぐ帰せ」などスローガンをありったけ叫んだんです。それで、もちろん警察が
すっとんできて仲間のうち6人を連れ去ったんだけど、残った私たち二人はもう
死に物狂いの勢いで抵抗して、お互い両手両足をしっかりからみあわせて抱き合
い、椅子にもがっしりとしがみついて、なんとしようとがんとしてゆずらなかっ
た。周りのみんなは両端からわたしたちを引き離そうとやっきになって、ありと
あらゆる角度で引っ張ったり割り込んだりするわけ。でもわたしたちはもう何が
なんでも、死んでも離れない覚悟で抵抗をやめなかった。そうしているうちに、
周りの人たちもついにはあきれ果て、とうとう諦めてしまったんです。「この女
たちはまったくどうしようもないな」というわけ。お互いに目配せしながら「お
いおい、ちょっとこんなやつらがいるなんて、信じられるかい」ということに
なったみたいね。
彼らは国家機密安全費用に何十億ドルもの予算をつぎ込んでいるのよ。大量破壊
兵器を見つけようととんでもない大金を費やしているのに、わたしたちごときプ
ロテスターがバナーを会場内に持ち込むことさえ止めることができなかったわけ
でしょう。情けないったらありゃしないわ。それでわたしたち大笑いしちゃった
わけ。それでね、わたしたちのほうから、警察の連中に「それじゃ、ここらへん
で終わりにしましょうか」と聞いたのよ。彼らも「うん、そうして欲しい」とい
うんでわたしたちそそくさと警察の連中と一緒にそこを立ち去ったの。わたした
ちは彼らに逮捕され、大声を出して大騒ぎをしたという「治安紊乱罪」を言い渡
され、牢獄で一晩過ごしました。でも朝の3時にはちゃんと解放された。ここで
おどろくべき点は、大統領の演説を邪魔したという罪に対してたった25ドルの罰
金で済んだということね。みんなにもぜひお薦めするわ。これほど価値のある25
ドルの使い心地は他にはないわね。
エイミー・グッドマン: どうもありがとう。罰金の額よりも、就任式当日に起訴
された「治安紊乱罪」そのものについてどう思いますか。
メディア・ベンジャミン: そうね、立場が逆じゃないかと思うのよ。ジョージ・
ブッシュこそが「治安紊乱罪」に問われるべきだと、きっと警察の人たちも思っ
ていると思うわ。ディック・チェイニーこそがまさに「治安紊乱罪」を犯してい
るわけだし、コンドリーザ・ライスこそ「治安紊乱罪」に問われるべきよ。その
指揮命令系統をたどることもできると思うわ。だから牢獄でも警察の連中とこれ
について大笑いしてたの。彼らもわたしたちに大いに同意しているのよ。ワシン
トンではブッシュは全然人気ないのよ。だからお互いいかにこの告訴は取り下げ
るべきことかについて大笑いしてたわけ。
原文URL: http://www.democracynow.org/article.pl?sid=05/01/24/1542206
[注1] コード・ピンクは2002年11月17日にメディア・ベンジャミン、スター
ホーク、ジョディ・エバンス、ダイアン・ウィルソンなどを含める約100名の女
性たちが結集して創立した平和運動団体。ブッシュ政権がテロ警戒警報を色分け
で示し国民の恐怖感を煽る世論操作を駆使しているが、その権力体制色分けコー
ドからはみ出たショッキングピンクで展開される彼女たちのゲリラ的活動は目に
も鮮やかだ。
http://www.codepink4peace.org/
[注2] 「デモクラシー・ナウ!」はラジオ、テレビ、インターネットを網羅
し、世界的な視野で民主主義の危機を報じる独立系メディアの中でも最も信頼を
得ている。ホストであるエイミー・グッドマンの勇敢な報道はますます深刻化す
るアメリカ主流メディアの堕落の現状の中でかけがえのない希望の光を投げかけ
ている。
http://www.democracynow.org/