TUP BULLETIN

速報535号 ドナより キャンプケイシー報告 第4弾 050828

投稿日 2005年8月28日

DATE: 2005年8月28日(日) 午後4時53分

息子の命を奪った崇高な使命とは何なのか? 全米を揺るがすシーハン No4


オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年春イラクでの「人間の 盾」に参加し、2004年春には米軍包囲下のファルージャに入り、その帰路地元 レジスタンスによる拘束を経験、2004年冬から翌年春にかけてイラク・パレス チナを旅して現地から報告してくれました。そのドナが、今度はアメリカか ら、2004年4月にバグダッドのサドルシティで戦死した米兵の母親、シンディ ・シーハンのことを報告しています。シーハンはなぜ息子が死んだか答えて欲 しいと、今月6日にテキサス州クロフォードのブッシュ大統領私邸に向かい、 ブッシュの牧場の外で警察に止められ、ならば大統領が会うまで帰らないと キャンプを張り続けて面会を要求しています。全米から支援者が続々とかけつ けるなか、日本のマスコミも報道するようになりました。ドナからの報告第4 弾です。 (翻訳:福永克紀/TUP)


ようこそ、キャンプケーシーへ! ドナ・マルハーン 2005年8月16日

「私はローラと言います。連れ合いと娘と一緒にオースチンから来ました、と いうのもこの子の将来が心配だからです。この子や他の子供らのためにも何か をやらなきゃと思うのです」

「僕の名前はサイモンです、デンバーから来た学生です。僕は歴史の証人にな り正しいことに立ち上がろうと飛んできました。ここにいるのは正しいことで す。他に言いようがありません。それは向こうで従軍している兵士たちに対す る義務だと思うからです。

「陸軍兵募集の広報講座に参加したのです」と20歳のサイモンが続けました。 「彼らは軍事活動のビデオを見せました、そして現実に人が殺されていくのを 見ていやになったのです。僕はそれは恥ずべきことだと感じるのに、将校はそ れを自慢すべきこととしていました」

「ジェニーです、ニューヨークから来ました。私は、この政府の欺瞞に毎日怒 りを感じていて、希望をなくし絶望を感じていて…… 「ここのことを聞いたとき、私が行くべきところはここだと……」

自己紹介の輪を一周して話を順番に聞いてみると、キャンプケーシーに今日新 しく来た人たちが、なぜジョージ・ブッシュの牧場へとテキサスの狭い田舎道 を旅してきたのか話してくれました。それは私の体全体を感動で満たし、私の 目から涙をあふれさせるものでした。

道の片脇には、死亡した米兵の名前がそれぞれに書かれた1700本以上の小さな 白い十字架が並んでいます。その光景は息を呑むものです。現実を思い起こさ せます。その現実さに気持ちが悪くなります。イラク人も忘れられてはいませ ん。そこら中にあるテントの柱には、ジョージ・ブッシュの言う「崇高な使 命」のために殺されたイラク人の話が貼り付けられています。

イラクでの無秩序と死、そして米国その他の国々の数え切れない嘆きに、誰も がこの崇高な使命とは一体何かと疑っています――それが私たちが幾千人以上 に支持されてここにいる理由です。

キャンプケーシーで数時間過ごしただけで、この自発的で予言的な真実の運動 に非常に感動しています。

ここの人数を全部数えることはできませんが数百人でしょう。誰もがシャワー を浴びお茶を飲む拠点となっているピースハウスは、わいわいと騒がしく、 人々が交わりあい、いくつかのチームが皆で食べる食事を作っています。

ここの人たちがオーストラリア人が来ると聞いていたとあって、私は特別歓迎 を受けました! ここには各人がどこからやってきたか印をつけた米国地図が あります。その地図にはすでに誰かが「オーストラリア」と書いていました。

シンディは、私のアクセントを聞くやいなや私の所に来て強く抱きしめてくれ ました。オーストラリアからのすべてのメッセージのことを伝えると、再び私 を抱きしめて、こんなに多くのオーストラリア人の支持の思いに明らかに心を 動かされていました。

ピースハウスの表側の部屋で、シンディが痛む足をマッサージしてもらってい る一方で、私たちの一団はラップトップに打ち込んでいます。

青年が大声で悪い知らせを叫びながら駆け込んできました――四駆トラックが 十字架をひき壊したと聞いたと言うのです。そんな行為に衝撃を受け、人々が 走り回ります。大騒ぎになり、誰もが一度に話し始めます。

今度は、床に座って膝のコンピューターを扱っていたジュリーが突然かなきり 声を挙げ手で顔を覆います。友人がイラクで殺されたと今読んだところなので す。彼女はすすり泣いています。人々が慰めようと駆け寄ります。誰にもなん と言えばいいのか分かりません。今は本当に混乱状態です。

この戦争と、それが作り上げた憎しみは、まさにどこまでも網羅しどこまでも 届いています。バグダッドでも、モスルでも、カルバラでも、人々が苦しんで います。テキサスのクロフォードでも誰もが嘆き悲しんでいるのです。本当に つらいばかりです。

シンディは電話インタビューに答えています――「毎日、命が嘘のために壊さ れているのです」

デニムのジーンズに青いランニングシャツの21歳のカイルがやってきました。 クロフォードの地元住民です。彼は入ってきてピースキャンプに参加できるか どうか聞くのです。

彼は多くの人から抱きしめられて、思いっきりニッコリ顔でそれを受け止めて います。

十字架をどうしようか相談している人たちがいます……今朝、地元住民が空に 向けて発砲した、と言う人がいます。「鳩を撃っていた」と言っていたけ ど……

今夜は夜通しの警戒が必要でしょう。

ここで止めておきます。もう同時にむちゃくちゃで、心が乱れたり高ぶったり します。明日また書きます。

皆さんの巡礼者

ドナより

追伸:「ビル・クリントンが嘘をついた時は、誰も死ななかった」――クロ フォード、ピースハウスに掲げられている言葉

原文:Welcome to Camp Casey! URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/165

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