FROM: hagitani ryo
DATE: 2006年9月4日(月) 午前9時30分
〜〜〜〜〜〜 ワタダ中尉の母です、皆さんどうかご支援を 〜〜〜〜〜〜〜
イラク行きの命令を拒否したワタダ中尉にたいする公判前審問が8月17日と18
日に開かれました。4時間に及ぶ審問中3時間にわたって、デニス・ハリデイ元
国連事務次長、イラク侵略に抗議して2003年3月に辞職したアン・ライト元陸
軍大佐、国際法の権威であるフランシス・ボイル‐イリノイ大学教授らがワタ
ダ中尉を弁護する証言を行いました。調査担当将校マーク・キース中佐がワタ
ダ中尉を軍法会議に送るかどうか、容疑をどうするか、勧告を出すようです。
ワタダ中尉の母キャロライン・ホーさんが出された最初の公開書簡は、TUP速
報620号( http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/678 )で
お知らせしましたが、さらにこの審問を前にして、支援を訴える公開の手紙を
出されましたので、紹介します。キャロラインさん自身がワタダ中尉の決意を
知ってから息子を心から理解し支持するまでの母親らしい心の揺らぎが垣間見
え、とても興味深い内容です。
寺尾光身/TUPスタッフ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ワタダ中尉の母です、皆さんどうかご支援を
キャロライン・ホー
2006年8月15日
アメリカの仲間の皆さん、そして世界中の市民の皆さん、私は将校として
フォート・ルイス基地に配属されているエレン・ワタダ中尉の母です。エレン
は、6月22日にイラクへ派遣されたストライカー旅団の一員でした。その運命
の日、エレンは移動命令を穏やかな態度で拒絶し、部下が搭乗しているイラン
行きの飛行機には自分は乗らない、という選択をしました。息子は、除隊要請
を提出した日(2006年1月)からイラク派遣のこの日まで、命令に従えと言う圧
力をしつこく受けましたけれども、自分の信念に忠実であり続けました。すで
に数知れぬイラク人とアメリカ人の命を奪った不法な戦争と占領に部下を引き
込まない、ということが、部下を支援することだ、と確信していました。正義
にもとる非倫理的な目的のために我が軍を使う政策の加担者であり続けるより
も、戦争に反対する態度をとることによって部下に尽くすことができるのだ、
と考えたのです。
軍や政府組織内外からの情報調査や専門家に相談し、こつこつと集めた事実を
綿密に吟味して、エレンは、民主主義の名のもとに残虐行為が行われているの
にもう沈黙を続けることはできない、との結論を下しました。先制的な戦争を
正当化するためにだましとウソばかりを使った政権の手先であることが、息子
にはもうできませんでした。何が正しいか決める自由を放棄したのではない
し、何が正しいか決める自由は人間と組織に対する忠誠をも超越するものだ、
ということに気が付いたのです。
将校としての義務は、米国憲法を支持し、憲法を国内外の敵から守り、合法的
な命令にだけ従うことです。イラク行きを拒否することで、ワタダ中尉は自分
に課された義務を全うしたのです。それに応えて軍は、移動しなかったこと、
大統領に対する侮蔑発言、将校として不穏当な振る舞い、ということで起訴し
たのです。まとめるとこれらの罪は陸軍刑務所収監7年にもなります。
一人の母として、私は「千里の道」の第一歩を踏み出したばかりです。わが子
の決意が、私が息子に教えてきたことと、息子にしてもらいたいと私が本当に
思っていることとの間に食い違いがあることを私に気付かせてくれました。わ
が子の決意によって、私が息子に教えてきたことと、息子にしてもらいたいと
私が本当に思っていることが、全く違っていることがわかり、そのときは、事
の重大さに押しつぶされんばかりでした。でも、「うちの子だけはやめ
て・・・ヒーローにするなら他のかたの息子さんを」とささやくあの自分たち
だけを守ろうとする身勝手な反応を正当化する言葉を見つけることは、正直
言ってできませんでした。いうまでもなく、この経験が人生を変えるような出
来事になりました。わが子が選び取った道に、称賛と尊敬の念を抱くばかりで
す。私は無条件に息子を支持します。
当面8月17日と18日の公判前審問の行われる間、そして将来にわたっても、エ
レン・ワタダ中尉をどうか引き続きご支援ください。移動命令拒否と米憲法修
正第1条で保障された権利(訳者注:表現や宗教の自由)の正当性を明らかにす
る証拠を提出することをエレンが許されるかどうかはまだわかりません。で
も、世界が注目していること、そして正義が貫かれねばならないことを軍に知
らせねばなりません。
8月16日は全米運動普及の日とされ、米国のみならず世界の団体が、イラク戦
争と占領の不法性と非道徳性、そしてワタダ中尉が発信しているメッセージを
知らせるためにティーチ・インを行うよう要請されています。学校、家庭、教
会、公民館等々でお話や対話をすることができます。それに、フォート・ルイ
ス基地をはじめアメリカ中で、また国外でも、集会、デモ、ビジルなどが予定
されています。意識を高め、パワーアップし、多くの民衆に行動しようという
気になってもらう好い機会です。
軍法会議が開かれている間の大衆行動と市民不服従の下準備を、私たちと一緒
にやろうではありませんか。
ワタダ中尉についての最新ニュースと行動予定の確認や、8月16日全米運動普
及の日にティーチインを行うのに役立つ様ざまな資料のダウンロード、ポス
ター、リーフレット、Tシャツの求め方、ワタダ中尉法的防衛基金へのカンパ
の仕方などについては、どうか、公式ウェブサイト:
www.thankyoult.org
をご参照ください。
平和と感謝を込めて、
キャロライン・ホー、(エレンの母)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翻訳:寺尾光身/TUPスタッフ
原文が掲載されているのは以下の2サイトです。
http://thankyoult.live.radicaldesigns.org/content/view/175/
http://www.truthout.org/docs_2006/081506R.shtml
–