TUP BULLETIN

速報709号 ドナより 国家公認の奇跡だった!

投稿日 2007年6月12日

DATE: 2007年6月13日(水) 午前8時43分

パイン・ギャップの警備を破るには、あんたには奇跡が必要だ!?


 オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年春イラクでの「人間の 盾」に参加し、04年春には米軍包囲下のファルージャに入り、その帰路地元レ ジスタンスによる拘束を経験し、04年冬から05年春にかけてイラク・パレスチ ナを旅して、05年8月アメリカからシンディ・シーハンのキャンプ・ケーシー について報告してくれました。オーストラリアに帰国したドナは自国のテロを 見据え、05年12月に米国主導のイラク戦争・占領にオーストラリアが最も貢献 してきたアリス・スプリングス近郊のパイン・ギャップ軍事基地に向かい民間 査察を強行して逮捕・起訴されました。最高7年の刑期を課せられるかもしれ ない裁判がついに始まりました。  法律論議が延々と続いたあと、6月4日(月)にやっと陪審員が法廷に戻り検 察側の立証が始まりました。前日から続く6月5日(火)の検察側立証と反対尋 問の報告です。 (翻訳:福永克紀/TUP)


国家公認の奇跡だった! ドナ・マルハーン 2007年6月5日

お友達の皆さんへ

私たちのパイン・ギャップへの侵入は軌跡だった! 今日このことが、北部準 州最高裁法廷でパイン・ギャップ警備責任者の連邦警察官ケン・ネイピア警視 によって確認されました。

私たちを支えてくださる神の介入が途中にあったのではないかと思っていまし たが、彼のような地位にある人間から賛同の声を聞くのはすばらしいことで す。

今日のドナによる反対尋問で、ネイピア警視は基地の警備は厳重で、そのうえ 増員警官の配備までして私たちの「査察」に備えていたと説明しました。

「私とロー氏が3回も巡回警備をすり抜けてフェンスに到着したことはご存知 ですね、驚かれましたか?」

「ええ」と、ネイピア警視が答えた。

「奇跡が起きなければ中には入れないと、多くの人が言っていました、あなた もそう思われますか?」

「あの時は、そう思っていました」

2005年12月の査察の週に、アリス・スプリングスで行われた市民集会に潜入し ていた連邦警察官にも反対尋問をしました。

私たちはこの警官に、集会について思い出したことを証言してほしいと言った のです。すると彼は、化学兵器がファルージャで使われたことを示す私たちが 上映した映画や、イラクでの私の経験、市民不服従に関するブライアンの話の ことなどを述べました。

ブライアンはこの機を逃さずそのスピーチ全体を陪審員の前で再演してみせ、 ついに陪審員たちが私たち自身と私たちの動機についてもっと耳を傾けること になりました。来週には彼らはもっと聞くことになるでしょう。

すべてが終わってみれば良い1日でした。ものごとは他の日よりすばやく進 み、良い気分でした。

明日は連邦側が残りの証人を召喚し、それで彼らの立証を終える予定です。

ここで言いたくとも言えない私たちが直面している法律問題が他にもいくらか ありますが、それらは成り行きに任せて対処するつもりです。7人の連邦側弁 護士全員とも良い関係が出来上がってきましたので、すべてが友好的雰囲気で す。

ABCの報道は下のリンクで。 http://www.abc.net.au/news/newsitems/200706/s1943288.htm

私たちの報道担当の報告は下記に。

愛するドナより

[訳者注:以下、ドナたちのメディア・リリース文]

パイン・ギャップ裁判報告アップデート――2007年6月5日 市民査察は「奇跡」、国側証人が賛同

本日の法廷で、パイン・ギャップ基地の警備責任官ケン・ネイピア警視が、パ イン・ギャップの4人による市民査察の成功は「奇跡的」だったことに同意し た。

ネイピア警視に対する反対尋問でドナ・マルハーン被告は査察に先立って、あ る警察官と交わした会話を紹介した。

「『パイン・ギャップの警備を破るには、あんたには奇跡が必要だ』と彼が私 に言ったのです――あなたもそう思われますか?」と、マルハーン氏が尋ね た。

笑みを浮かべてネイピア氏は返答した。「あの時は、そう思っていました」

別の検察側証人ジェフリー・クーパー氏は、アリス・スプリングスの金物屋で ブライアン・ロー氏にボルトカッターをふたつ売ったことを証言した。ロー氏 が反対尋問で、クーパー氏に取引のことを詳しく思い出すように促した。

「その紳士が、『これらを私が何のために使いたいかご存じですか?』と聞い たので、私は、知っている、パイン・ギャップに入るためだと答えました」と クーパー氏は述べた。さらに笑顔で「彼らにどれぐらいのチャンスがあると思 うかと尋ねられたので、まったくないだろうと答えました」

基地侵入の意図を広く公表していた4人の平和活動家――ブライアン・ロー、 ドナ・マルハーン、ジム・ダウリング、アデル・ゴールディーによる2005年12 月のパイン・ギャップ査察は、法曹界に一大旋風を巻き起こしてきた。

司法長官フィリップ・ラドックが、まだ適用例もない防衛(特別事業)法1952 年に基づく4人の起訴を指令し、オーストラリアに前例を作ることになった。 連邦側は、連邦検察官ヒルトン・デンボ勅撰弁護士に加えて、連邦警察とオー ストラリア安全保障情報局長の代理人としてふたつの特別弁護団も在廷させて いる。 [訳者注:オーストラリア安全保障情報局長 Director-General of Security  オーストラリアのFBIとも言われるAustralian Security Intelligence Organisation(オーストラリア安全保障情報機関)の局長]

被告たちは、法廷代理人なしで自分たち自身で弁護をしている。

裁判は、明日6月6日(水)午前10時にアリス・スプリングスの北部準州最高裁 で再開される。

原文:[The Pilgrim] Official: It was a miracle! URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/212

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