TUP BULLETIN

速報716号 ドナより 意見が分かれた陪審員から、有罪評決

投稿日 2007年6月25日

DATE: 2007年6月25日(月) 午後11時44分

長年の間こんなに幸せそうなブライアンを見たことがありません!


 オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年春イラクでの「人間の 盾」に参加し、04年春には米軍包囲下のファルージャに入り、その帰路地元レ ジスタンスによる拘束を経験し、04年冬から05年春にかけてイラク・パレスチ ナを旅して、05年8月アメリカからシンディ・シーハンのキャンプ・ケーシー について報告してくれました。オーストラリアに帰国したドナは自国のテロを 見据え、05年12月に米国主導のイラク戦争・占領にオーストラリアが最も貢献 してきたアリス・スプリングス近郊のパイン・ギャップ軍事基地に向かい民間 査察を強行して逮捕・起訴されました。  そして、最高7年の刑期を科せられるかもしれない裁判がついに始まりまし た。連日行われてきた裁判は、3週間目に入りすべての弁論が終わり、6月14日 (木)に陪審員の評決が下されました。14日の裁判終了後の夕刻にドナから送 られてきた報告です。 (翻訳:福永克紀/TUP)


意見が分かれた陪審員から、有罪評決 ドナ・マルハーン 2007年6月14日

お友達の皆さんへ

おそらく皆さんはもうこのニュースはお聞き及びでしょう――明らかにためら い、意見が分かれた陪審員の人たちに有罪だとされました。

陪審員は本質的には疑う余地のない事件の審議に5時間もかけました、つまり 明らかに彼らの間でなにがしかの議論があったのです。ある弁護士は1時間半 ほどかかるはずだと言っていました。

評決が読み上げられるとき何人かは見るからに苦しんでいるようで、まるでそ れまで泣いていたようでした。

ともかく、それは判事が彼らに出せと指示した評決であり、彼らはそうしただ けで、私たちにとってまったく予想外の結果というわけではありませんでし た。

その連邦側の弁護士からは、私たちは自分たち自身を弁護してすばらしい仕事 をしたとお褒めの言葉をいただきました。彼の意見では、弁護士なら誰でも私 たちがやった弁護を展開することなどできもしなかっただろうが(もし、弁護 人が付いていたとしても)、私たちの弁論は努力の甲斐あるすばらしいもの だった、ということです。私たちはパイン・ギャップとイラク戦争の話を、事 実を、イメージを法廷に持ち出した、こんなことは不可能だと思っていた! と彼は言ったのです。

それが私たちの目標でした、そしてそれを達成したのです。

今日の午後のメディアは、イラク戦争とパイン・ギャップの関係を報道してい ます。

私たちは満足している4人です――長年の間こんなに幸せそうなブライアンを 見たことがありません!

デンボ検察官は、判事が私たち全員を刑務所に送るべきだと彼女に言いまし た。

彼の指示(誰から受けた??)は、私たちの行動は「国家安全保障の、国益の 心臓部を打った」ものであるからには私たち全員の実刑判決を追求することで ある、と述べました。

私たちには更正の希望も無い、と言いました。私たちは同意しました。

他の「同様な考え」を持つ人たちを抑止するために私たちを監獄に送るべきだ と言ったのです――思うに彼が意味することは皆さんが……。

これに答えて判事は、大部分の他のパイン・ギャップ抗議者たちはわずかな罰 金刑であり、そこからいきなり実刑に飛躍するのは異例となるだろう、と言い ました。

同時に、これまで防衛(特別事業)法で起訴された者はひとりもいない以上、 参照すべき前例も無いことを認めました。

彼女はそれについて一晩考えたいとして、私たちは明朝11時30分(北部準州時 間)、東部標準時間の12時に判決を受けることになりました。

もっとすごくおもしろい詳細はブログで。 www.pinegapontrial.blogspot.com http://www.abc.net.au/news/newsitems/200706/s1951528.htm

そしてメディア・リリースは下に。

今日支持のメッセージを下さった皆さんがたすべてに感謝します!!

明日、上訴するかどうか私たちで話します。

明日手に入り次第、もっとニュースを!!

愛をこめてドナより

[訳者注:以下、ドナたちのメディア・リリース] パイン・ギャップ裁判――有罪評決 2007年6月14日(木)

本日午後北部準州最高裁で、パイン・ギャップの4人――ケアンズのブライア ン・ロー、ブリズベンのジム・ダウリングとアデル・ゴールディー、シドニー のドナ・マルハーン――は、陪審員たちによるほとんど5時間に及ぶ審議の 末、すべての容疑で有罪とされた。

4人が事実関係を全面的に認め、正当性の弁護を一切封じられ、陪審員にとっ ては疑う余地の無い決定であったはずの評決が伝えられるときには、彼らは見 るからに苦しんでいた。

サリー・トーマス判事は11日間の裁判を通じて、パイン・ギャップがイラク戦 争で果たす役割がイラク市民の死と苦難を生んでいるという信念を含めて、被 告人たちが証言することを許してきた。のちに彼女は陪審員に、被告たちの証 言も、共感を持ったかもしれない被告たちの信念も無視するようにと指示し た。

2005年12月9日パイン・ギャップの4人は、パイン・ギャップ基地のイラク戦争 での役割を際立たせるためこの基地の市民査察を実行した。

本日、勅撰弁護士ヒルトン・デンボ検察官は4人全員に実刑判決を科すべきだ と主張した。

「検察側としては、なんら更正の見込みを見て取ることはできません」とトー マス判事に述べ、判決は「同様な考えを持つ者」に抑止力を提供するものでな ければならないと付け加えた。

トーマス判事は、パイン・ギャップには抗議と不法侵入の著しい歴史があり、 これまでの不法侵入者には罰金が科されてきたことを指摘した。

「実刑について語ることには、大きな飛躍があります」と彼女は法廷で述べ た。

「実刑判決は最後の手段のひとつです」

ジム・ダウリングはトーマス判事に招待の気持ちを示して、「戦争への抵抗に 参加しましょう、そして私たちにどんな刑罰も与えないでください」と述べ た。

検察側の懲役の要求にアデル・ゴールディーは「私は特に刑務所に行きたいわ けではないが、自分の信条は守り抜きます」と答えた。

最長7年の投獄を科せる防衛(特別事業)法1952年に基づき起訴されたのは、 パイン・ギャップの4人が初めてである。この事件には先例となる判例は存在 しない。

裁判は午前11時30分(東部標準時間正午)に再開され、トーマス判事が各被告 に判決を言い渡す。

原文:A guilty verdict from a divided jury URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/218