DATE: 2008年3月10日(月) 午前11時06分
パイン・ギャップを裁判に! 時代遅れな法律の適用はもうあり得ない
オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年の春にはイラクでの「人間 の盾」に参加した。04年春には米軍包囲下のファルージャに入り、その帰路地元 レジスタンスによる拘束を経験し、つぶさにそれらを報告してくれた。04年冬か ら05年春にかけては「巡礼の旅」をしたイラク・パレスチナの話を伝えてきた。 05年8月には、シンディ・シーハンのキャンプ・ケーシーに駆けつけ、アメリカ からのその報告は、ほとんど実況中継だった。 オーストラリアに帰国したドナは、自国のテロを見据え始めることになる。米 国主導のイラク戦争・占領にオーストラリアが最も貢献してきたのは、アリス・ スプリングス近郊のパイン・ギャップ軍事基地だ。05年12月、ドナたち4人はこ の基地に向かい、民間査察を強行して逮捕された。起訴された事案は、刑罰が最 高7年の実刑だ。裁判の結果、07年6月に罰金刑と損害賠償を命じる判決を受け た。 検察・被告双方が上訴中にも関わらず、08年2月に罰金の支払いを拒否したこ とで収監され、その替わりにそれぞれ5〜10日間の刑期を務めた。そして迎えた 上訴審、ドナたちは無罪判決を勝ち取る。 (翻訳:福永克紀/TUP)
ロンに感謝をささぐ ドナ・マルハーン 2008年3月4日
お友達の皆さんへ
皆さんが、私たちと同じように上訴審の結果をうれしく思ってくださったなら、 その責務を最も担った人物に感謝したいのも同様かもしれません。
元連邦裁判官ロン・マークル勅撰弁護士のことです。
ロンはかつて2006年に、この事件が裁判にかけられるのを防ごうと私たちの弁護 を始めました。彼の弁論は当時のサリー・トーマス判事には受け入れられません でしたが、上訴審では北部準州刑事控訴裁判所の合議体裁判官全員に認められま した。そういうわけで私たちの無罪判決があります。
ロンには、長きにわたる名だたる法曹界の経歴があります。行政法の専門家とし て、先住民族土地所有権や市民権に焦点をあて、難民・亡命希望者や先住民の弁 護を引き受けてきました。
人権に制約を加える法令や法律の適用に反対していて、私たちの事件に防衛(特 別事業)法1952年を適用するのは、道義的にも法律的にも間違っていると確信し たのです。
私たちの裁判で誤判が起こっていたのだという申し立てを彼が法廷に持ち出した ように、長年にわたる彼の豊富な経験は明らかでした。
そのほかにも「禁止区域」と「特別事業」についての専門的事項にわたる上訴の 根拠を3点あげ、防衛(特別事業)法の適用を棄却することと再審の排除を決定 することを、耐久レースのような努力で3人の(絶え間なく徹底的にロンの弁論 を吟味した)控訴裁判事に確信させることができました。
この決定は、政治的異論者を過酷な刑罰に処すこの時代遅れで古びた法律にとっ て、大きな意味があります。
新しい判例が確立されたのです。
ロンが事に集中しているのを見るのは楽しいものでした。検察官がジタバタとあ がいていても、彼は乱れたことがありません。「何事も譲ってはいけない」と、 裁判官3人からのそれは厳しい質問責めが続いたあとで私たちにささやくので す、「ほんのご挨拶程度でもね」。
彼には才気があり、詳細をつかむ驚異的能力があり、雄弁で、態度は温かく、正 義をなさしめる情熱があります。
多くのかたが私たちに連帯を示してくれました――いまこそ皆さんが、異なる分 野、難解な分野で、正義のために働くもう一人の活動家に連帯を示されるよう勧 めます。
以下で、ロンに感謝のメッセージを送ることができます。
ロン・マークル勅選弁護士 ヴィクトリア州 3000 メルボルン ウィリアム通り205 オーウェン・ディクソン弁護士事務所会館西館 クラーク・G気付 Fax: 03 xxxxxxxx[訳者注:番号省略]
同様に私たちを助けてくれたロンの事務所の弁護士ロウィーナ・オーにも感謝の メッセージを回覧してもらうこともできるでしょう。アリス・スプリングスの法 律扶助協会のラッセル・ゴールドフラムもこの裁判のもう一人のヒーローです。
多くの人が私たちの裁判を「ダビデとゴリアテの闘い」の勝利と描いています が、ロン・マークルが石投げ器を操っているかぎり常に正確に的を射ることは決 まっていたのです!
この長い道中、私たちを支援してくださった皆さんすべてに感謝します。それ は、初めから終わりまですばらしい旅でした。
パイン・ギャップを法廷に引きずり出すように続けていきましょう――しばらく はもう、防衛(特別事業)法が適用されることはあり得ません!
そして、もしあなたが逮捕されたとして、弁護士が必要なら、私が最適の人を 知っています。
ドナより
追伸:添付したのはロンの写真と、私たち4人とラッセルおよびロンが写った写 真ですが、写真もメディア対応もケイティのおかげです――かけがえのない人で す! [訳者注:TUPでは写真は添付できません]
追追伸:ブライアンが「パイン・ギャップ」の経験全体についてよく考えられた 感想を書いています、下のリンクをクリックすれば読むことができます。 http://www.cairnspeacebypeace.org/index.php?option=com_content&task=view&id=67&Itemid=42
追追追伸:アデルと私にはもっと皆さんと分かち合いたい刑務所の経験がありま すが、それはそのうちにお話します。
追追追追伸:1週間の予定で、明日(水曜)パースに出発します、本とCDを持っ ていきます――パースの皆さん、もしお入用なら連絡ください。
追伸x5:まだたくさんのメディアで事件のことが報道されています、今ではほと んどが特集扱い記事で、ドキュメンタリーまで予定されていて……もし何かご覧 になったら知らせてください。
追伸x6:シドニーのかたがた――3月16日(日)午後1時からベルモア・パークで おこなわれるパーム・サンデー平和集会で講演します。「長すぎる、イラクに5 年。市民的自由を守れ」――来てください!
追伸x7:またもシドニーのかたがた、パディントンの「酒場の霊性 (Spirituality in the Pub)」で講演します。4月2日(水)の夜7時30分からパ ディントンのハーグレーブ通り158にあるベルヴュー・ホテルです。
追伸x8:「不正な法はそもそも法ではない」――聖アウグスティヌス
原文:Thanking Ron URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/232
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