TUP BULLETIN

速報802号 空襲下ガザからの報告7――アブデルワーヘド教授

投稿日 2009年1月5日

◎地上戦のガザから 自家発電で命がけで世界に発信される現地の声


地上戦が開始されて3日目、民間人の犠牲も拡大の一途をたどってい
ます。水も電気も医薬品も食糧も尽きたガザ、ミサイルと砲弾の雨の
なかで、それでも他者の命を救おうとしている人たちがいます。

ガザのアブデルワーヘド教授からのメールの邦訳です。
<邦訳: 岡真理; 凡例: (原注) [訳注]>


【メール その22】
日時: 2009/1/4(日)12:12
件名: 緊急!

毎分、爆発音が聞こえる。1回あるいは2回、3回のこともある。この状態がここ15時間以上続いている。戦車、大砲、戦艦。UNRWA職員のフサイン・オーダ・アル=アイディ(58歳)が戦闘のまっただ中に釘付け状態にされている。イスラエルの戦車複数が彼の自宅の周りを直径1キロ以上の円を描くように動いている。彼は昨晩10時半、砲撃を受けた。家族5人が重傷を負っている。だが、イスラエルの戦車以外、誰も彼に近づけない。彼の家には電気も水も食糧もない。彼の家族たち、母親と彼の二人の兄弟の家族が一部屋にすし詰めになっている。20人以上だ。フサインを緊急に援けなければ、そして怪我人を避難させなければ。

【メールその23】
日時 : 2009年1月4日(日)18:15
件名 : フサイン・アル=アイディ、戦闘の只中に釘づけ!

フサイン・アル=アイディが戦闘の只中に釘づけになっている![注1]フサイン・アル=アイディはガザ市東部在住のパレスチナ人(58歳)。今の場所に25年以上、住んでいる。自宅は野菜畑の真ん中に位置している。彼はUNRWAの職員だ。彼は今、一部屋に、自分の家族20人と、彼の二人の兄弟の家族たちとともにいる。彼らは、狭い部屋で電気も水も食糧も電話もないまま、すし詰めになっている!彼の周りには何もない、あるのは戦場だけ。

昨夜10時半、アル=アイディ氏は戦闘の真っ只中におかれ、砲撃が自宅に着弾、家族5人が負傷した!彼は負傷者を救出するため救急車をよこすよう訴え続けているが、叶わない。負傷者を、そして可能ならば家族全員を救出するために、彼のもとに救急車を送ってくれという訴えはこれまでのところ、いずれも聞き入れられるにいたっていない!周囲1キロ半以上をイスラエル軍が完全にコントロールしており、イスラエル人以外、誰もアル=アイディ氏のもとにたどり着くことができない! この状況は、どこの国でもいい、人権団体が緊急に人道的行動をおこすことを必要としている!

ガザには電気も水もない。食糧もわずかしかない。私は発電機がまだ稼動するのを幸いに、世界に発信している。爆弾が雨あられと私たちの上に降り注いでいる。そして不運にも、アル=アイディ氏は戦闘のど真ん中にいるのだ!

[注1]
アル=アイディ氏については、イスラエルのハアレツ紙でアミラ・ハスも報じています。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1052606.html

日本語訳はこちらを。
http://esperanzasroom.blogspot.com/

【メールその24】
日時 : 2009年1月4日(日)19:41
件名 : ミサイルの雨と真っ暗闇のガザ

ガザで、私たちは、雨のように降り注ぐミサイルと砲弾の集中砲火の真っ只中にいる!今は完全な暗闇だが、その闇を破って無人飛行機やヘリコプターの唸る音が聞こえてくる。通りは人っ子ひとりいない!ときどき、救急車と消防隊のサイレンが聞こえる!ガザ北部の市民は自宅からガザ市西部に逃げ、ゼイトゥーン地区の者たちは西部に逃げている!市民にはなすすべがないというのに、彼らのことなどおかまいなしだ! 彼らを守るものは何もない。今日、救急医療士3人が死ぬ。ほかの命を救おうとしているさなかだった。一昨日も、医師1人と救急医療士が殺された。今夜、携帯の電話網は完全に麻痺している。地上電話は、回線状態は悪いが通話可能だ!夜明け前、ガザの空のいたるところに黒煙の雲があった!わぁぁぁぁぁ、今まさに、足元で地面が揺れている!ボーーーーーーン!

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原文: Prof. Abdelwahed (ガザ・アル=アズハル大学
教養・人文学部英語学科) 発信の一連の電子メール