TUP BULLETIN

速報803号 空襲下ガザからの報告8――アブデルワーヘド教授

投稿日 2009年1月6日

◎なお続く地上攻撃 自家発電で命がけで世界に発信される現地の声


世界各地で抗議の声が上がっています。その訴えが聞き届けられて、
停戦が実現するまで、あと、どれだけの爆撃と破壊と死の知らせを
私たちは受け取るのでしょうか。

ガザのアブデルワーヘド教授からのメールの邦訳です。
<邦訳: 岡真理; 凡例: (原注) [訳注]>


【メール その25】
日時:2009年1月5日(月)18:31
件名:2009年1月5日午後6時半

今日、シファー病院の発表によれば、16人の子どもと7人の女性を
含む39人の民間人が亡くなった!公式発表の死者数は540人以上
にふくれあがり、加えて負傷者は2600人!
人々の健康をめぐる状態は耐えがたく、酸鼻をきわめる。市民は
逃げ場を失い右往左往している!ガザ市内のシュジャイヤ(人口が
とくに過密な地区だ)で、妊娠中の女性が4人の娘とともに砲撃で死んだ。
私の子どもたちは、隣の建物が狙い撃ちされてから、ますます緊張と
不安を募らせている。私は努めて子どもたちに話しかけ、できるだけ
落ち着かせようとしている。しかし、実際は、航空機、ヘリコプター、
無人飛行機が大砲や戦車の砲撃に加わって、私たちは緊張を解いたり
和らげたりする暇もないのだ!

【メール その26】
日時:2009年1月5日(月)19:00
件名:ガザ 2009年1月5日

2009年1月5日午後6時。
地上攻撃の今日、イスラエルの戦車部隊はさらに多くの土地を制圧した。
イスラエルの航空機はガザ地区の30の攻撃目標を空襲した。気がかりなのは、
ゼイトゥーン地区の東部であれ他のどこであれ、自宅にとどまることのできない
市民たちのことだ。ゼイトゥーンは農業地帯で住んでいるのは農民たちだ。
彼らのうち何百人かは、ゼイトゥーン地区のなかで人口が密集した住宅地
の奥に避難することができた。

多くの民間人が、ガザ市の境界地域に対する爆撃で死んだ。
電気と水が、ガザの人間すべてにとって依然、主要な問題となっている。
発電機はまだ動くので、私はこれらのメッセージを大急ぎで書くことができる!
携帯は麻痺し、地上電話はつながらなかったり、聞き取れなかったりする
こともあるが、はっきりと聞こえることもある! 数分前、すぐ近くが空襲された。
どこだか特定できないが、恐怖におののいた。近所の建物に着弾したのだ!
ほんの3軒向こうの建物だ。犠牲者もいる!

イスラエルの航空機が照明弾を投下している。あるいは、なにか軍事目的の
ための光なのかもしれない。イスラエルは何度か、アル=アクサー衛星放送を
妨害して、反ハマースの内容を放送した。また戻ります、そうできるなら!

【メール その27】
日時:2009年1月5日(月)20:13
件名: なし

次から次へとF16による空襲が今。

【メール その28】
日時:2009年1月6日(火)13:36
件名:ガザ 1月6日12:30

昨晩、空襲はますます激しさを増した:30回以上にわたり、ビーチ難民キャンプ東部にある保健センターをはじめ、さまざまな地点が空襲の標的になった。4階建ての建物が1軒、F16に爆撃され、完全に破壊された。何百人もの人々が次々に、戦闘地帯となっている市の郊外から命からがら脱出した。彼らは市内に住む親戚を頼ったり、UNRWAの学校に避難している。

フセイン・アル=アイディと家族(女たちと子どもたち)はいまだに、水も食糧も電話その他いかなる生命線となる設備もないまま、一部屋に閉じ込められたまま動くことができないでいる。家族のうち5人が何かの爆弾の破片で負傷している。アミラ・ハス記者が、イスラエルのヘブライ語・英語の日刊紙ハアレツで昨日、それを記事にし、今日、内容が更新された!

一方、人権のための医師団が介入して、身動きできないアル=アイディの家族のもとにたどりつけるよう調整に努めている。救急車とおそらくいくらかの食糧を届けようとしている。だが、これまでのところ成功していない!戦闘のただなかにおかれて人道的〔措置を必要としている〕ケースはほかにもある。さらに多くの市民が戦場で身動きがとれなくなっているのだ。死傷者の数も増加の一途だ!

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原文: Prof. Abdelwahed (ガザ・アル=アズハル大学
教養・人文学部英語学科) 発信の一連の電子メール