2年ごとに強行される米豪合同軍事演習タリズマン・セイバーが7月に迫る
オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年の春にはイラクでの「人間の盾」に参加した。04年春には米軍包囲下のファルージャに入り、その帰路地元レジスタンスによる拘束を経験し、つぶさにその報告をしてくれた。04年冬から05年春にかけてはイラク・パレスチナ「巡礼の旅」を伝えてきた。05年8月には、シンディ・シーハンのキャンプ・ケーシーに駆けつけ、アメリカからの報告は、ほとんど実況中継だった。05年12月にはオーストラリアがイラク戦争に最も貢献してきたパイン・ギャップ秘密基地に侵入し、3人の仲間とともに「市民査察」を強行した。冷戦の遺物である防衛(特別事業)法1952年に基づき裁判にかけられたが、08年2月に第2審で無罪判決を勝ち取った。
その後、講演をして国内をかけめぐりながら、これまでの「巡礼者」物語を書物にしようといそしむドナが、久しぶりに職に就いたという。やはり、平和を促進させる職だった。ドナの報告です。
(翻訳:福永克紀/TUP 翻訳協力: 岸本和世)
巡礼者のニュースをいくつか……
ドナ・マルハーン
2009年4月15日
お友達の皆さんへ
私からのちょっとしたニュースを。
――伝統的に労働人口と言われている範疇からはみ出して7年、私もやっと職に就きました! 私に定期的に賃金が支払われるという点で、母が「本当の」仕事だと呼ぶものです。就職先はクリスチャン・ブラザーズ(キリスト教修道士会)で、ニューサウスウェールズと首都特別地域のエドムンド・ライス・ネットワークのコーディネーターとして働いています。この仕事にはいろんな側面があり、社会正義の実践を中心として、エドムンド・ライス宣教に関わるすべての人のために、「共同体」意識や一体感を高めていきます。それで、イベントや憩いの場を企画したり、若者にボランティアを奨励したり、人々のエネルギーを社会正義の追求へと向けさせたりします。勝手知ったる私の道です! 自分自身の仕事としてその役目を引き受けなさいと、また彼らがまだ目にしたこともないところへ導きなさいとも言われました。こんなすてきな機会を得て、神の祝福を受けた気分です! この共同体により深い「瞑想的」要素を取り入れるとか、すでに社会正義の問題に関与する範囲はすばらしく広いのですがさらに補完するために非暴力に焦点を当てるとか、私にはいくつものアイデアがあります。 www.edmundrice.org.au と www.erc.org.au をご覧ください。 http://www.cathnews.com/article.aspx?aeid=12834 も見てください。
――非常勤(週に3日)として職に就きましたので、ほかの日には「巡礼者」として学校や教会、団体などで私自身の講演を行なっていきます。
――今年は、シドニー大学の平和・紛争研究センターで修士号(平和・紛争研究専攻)を目指して勉強しています。いまのところ、非常に楽しんで取り組んでいます。ここ数年の私の経験にちょっとした理論を適用できるのがすばらしいのです。
参照:http://www.arts.usyd.edu.au/centres/cpacs/about/welcome.shtml
参照:http://www.arts.usyd.edu.au/centres/cpacs/about/welcome.shtml
――例の本は、長編物語になっています。私があんなに胸をときめかした出版社は、結局のところうまくいきませんでした(長い話になります)が、いまは新しい出版社と交渉中で、今度はうまくいきそうです。
――パイン・ギャップ行動と裁判の話がドキュメンタリーとしてついに完成しました。まあ、21分の短縮版ですが。アル=ジャジーラ・インターナショナルが放映していて、現在ユーチューブで視聴できます。ご覧になってください、最高に面白いと思われるでしょう! ジェイン・ジェフェスとそのスタッフに感謝! 2部構成になっていることにご注意ください。長編バージョンも作成されればと望んでいます。
http://www.youtube.com/results?search_type=&search_query=pine+gap+aljazeera&aq=f
――7月(10日~13日)にロックハンプトン近くのショールウォーター湾で予定される米豪軍事演習タリズマン・セイバーの開始が迫り、それまでの期間に多くのイベントが行なわれます(www.peaceconvergence.com )。 タリズマン・セイバーを迎えるにあたって、アイルランド系オーストラリア人の平和活動家キアロン・オライリーが来月オーストラリアに戻ってきますので、私がシドニーでイベントを用意して、久しぶりに親交を温め、彼がこのところ取り組んでいることを聞けるようにしています。5月18日(月)午後7時より、バルメインのテムズ通り2番のクリスチャン・ブラザーズ・センターでやります。詳しくは下記に。彼には長年の経験があるうえに、昨今の出来事や平和運動の状況をいつも洞察深く分析しますから、きっと素晴らしい夜となるはずです。これは、私の新しい役職として組織する最初のイベントで、お誘い合わせのうえご参加ご支援くだされば、大変ありがたいことです。そうなれば、同様のイベントをもっと企画する権限が私の手に入るのです!
――軍事演習に備えて、シドニーのかたに向けたイベントが他にもいくつかあり、行動主義についての研修コースもありますので、下部に情報を貼り付けておきましょう。さらにシドニーのかたで私とまた会いたいと思われるなら、4月20日、来週月曜の夜ですが、ノース・シドニーのパシフィック大通りとウェスト通りの角にあるユニオン・ホテルで午後7時半より行われる「酒場の霊性」で講演します。5月7日にはアデレイド入りします。詳しいことがわかり次第、アデレイドのかたにお知らせします。
さしあたり私の最新情報です。どうか連絡を絶やさず、ご自身のメッセージを送り返してください!
皆さんの巡礼者
ドナより
追伸:キアロンのイベント詳細
『キアロン・オライリー』 エドムンド・ネットワーク主催
2009年5月18日(月)午後7時
バルメイン、テムズ通り2番、クリスチャン・ブラザーズ・センター
キアロン・オライリーは、著名なクリスチャン平和活動家で非暴力抵抗主義者であり、カトリック・ワーカー運動の活発的な一員である。1980年代は、クイーンズランドのジョー・ビョルケ・ピーターセン政権に反対し、市民権や社会正義、言論の自由を求める運動に参加した。1991年の湾岸戦争中には、米国でB-52爆撃機を非武装化させたグループ「アンザス・プラウシェアズ」の一員であった。グループの他のメンバーとともに、逮捕されて米国刑法制度のもと刑期13カ月の判決を受けた。オーストラリアに戻ったのちには、「ジャビルカ・プラウシェアズ」グループの行動に加わり、1998年に北部準州のジャビルカ・ウラン鉱山の装置を使用不能にさせた。2003年2月3日の早朝に民間空港であるシャノン空港で米海軍軍用機を非武装化させた事件で、ピット・ストップ・プラウシェアズと呼ばれる他の4人の仲間とともに2006年7月にアイルランドの陪審員から無罪評決を勝ち取った。
ショールウォーター湾で行なわれる今年の米豪合同軍事演習を迎えて、キアロンが行動主義の急進的な活動形態を語り、非暴力と行動主義に関する質問に答える。
問い合わせ先 ドナ・マルハーン
電話 02-XXXXXXXX
携帯 04XXXXXXXX
E-メール XXXXXXXX@XXXXXXXXXX.org
追追伸:平和と行動主義
シドニー大学平和・紛争研究センター
年齢や経歴を問わずすべての学生に平和行動主義の理論的理解と実戦的経験を提供するために新設された履修証明を授与する研修コースに参加しましょう。
平和行動主義の実例のいくつかを議論して実際に関わってみることが、このコースの中核です。私たち自身の経験を分かち合うことに加えて、幾人かの活動家から話を聞きます。そのなかには、平和運動に共感を持つ人も、そうでない人もいます。このコースのクライマックスは、平和大集会に参加して平和行動主義を身をもって体験してみることでしょう。
この研修コースでは、集中的な終日学習(金曜日の午前10時~午後1時および午後2時~5時)が5回行なわれ、タリズマン・セイバー米豪合同軍事演習にあわせて開催される平和大集会に参加するためにクイーンズランド中部を往復する6日間の旅へと盛り上がります。コースの日程は、5月15日、22日、29日、6月5日、7月3日、研修旅行7月9日~14日、そして7月31日です。
研修旅行
7月9日(木) 午前7時シドニー出発、午後11時ごろブリズベン到着
7月10日(金) 午前8時ブリズベン出発、午後5時ロックハンプトン到着。キャンプ設営。ロックハンプトン市民集会参加。
7月11日(土) 午前9時シドニー・グループ集会、行進、ヤプーンで浜辺前集会
7月12日(日) ロックハンプトンで平和大集会行動
7月13日(月) 午前10時キャンプサイト撤退
7月14日(火) 午前11時ごろシドニー帰着
諸費用
研修コースの受講料は一人500ドル[訳者注:約35000円]です。これには、教材および旅費・宿泊費が含まれています。キャンプ用具と食料は自前です。
問い合わせ並びに申込連絡先:(02)XXXXXXXX
申込受付期間は4月29日まで。
追追追伸:バス予約席も往復280ドルで提供できます。詳細はハンナ・ミドルトン(02)XXXXXXXXまたは04XXXXXXXXまで、予約は4月末までに。
追追追追伸:平和・紛争研究センター映画上映会ならびにタリズマン・セイバー軍事演習についての講演。4月30日(木)午後7時~9時、グリーブ アランデル通り 平和・紛争研究センター・マッキー・ビル(歩道橋の近く)
107号室
映画『傷だらけの大地と傷む命』――環境に刻まれた戦争の足跡
力強くも心をかき乱すこの映画は、戦争の環境的影響に対する沈黙を破ることにささげられている。環境は、戦争の語られざる被害者であり続けてきた。兵器製造に始まり、戦闘を通じて清浄化と復興まで、戦争は土地や空気、水を汚染し、生物多様性を破壊し、天然資源を枯渇させる活動を伴う。しかし、戦争とそのための準備が環境に与えるダメージは、いつも決まって過小評価され、十分な報道もなく、無視されることさえある。
講演:シドニー平和財団ならびにオーストラリア反基地連合のハンナ・ミドルトン博士が、2年ごとにクイーンズランド中部で行なわれる米豪合同軍事演習タリズマン・セイバーについて講演し、演習の環境およびその他に及ぼす影響と、それに反対する平和大集会について報告する。
さらに詳しい情報は、(02)XXXXXXXまたは04XXXXXXXXにお電話を。
追追追追追伸:「時はいま! 場所はここ! あなたがたが主役だ!」――2008年クリスチャン・ブラザーズ総会、インドのムンナールにて。
原文:Some pilgrim news…
URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/236